画像:hamachankyuzitsu Instagramより引用 体調不良による休養から復帰したダウンタウンの浜田雅功に対し、意外すぎるニュースが報じられた。『女性自身』(5/27号)によると、Netflix制作の配信ドラマに浜田が出演することが決定したというのだ。
報道では、その作品は脚本を宮藤官九郎が務め、主演を役所広司が担当。浜田は主人公のライバル役になると、かなり詳細な情報が伝えられている。
Netflixの公式情報ではないものの、X(旧Twitter)上では「見たい!」「めちゃくちゃ楽しみ」と絶賛のコメントが早くも寄せられている状況だ。
浜田といえば、かつてドラマを中心にさまざまな作品に出演していた。ただ、徐々に俳優仕事は少なくなり、2010年放送のドラマ『検事・鬼島平八郎』(朝日放送・テレビ朝日系)を最後に作品への出演はない。
今回、報道されているドラマが実現すれば、実に15年ぶりに浜田が演技を披露することになる。というわけで、まだ気が早いのだが浜田のドラマ復帰が報じられた記念として、毎クール全てのドラマを視聴する元テレビ局スタッフが、浜田の俳優としての魅力を過去作の紹介を基に再検証したい。
◆俳優としての原点 初期作から天才的な適応力を発揮
まず、芸人の浜田が本格的に俳優業を開始したのは、1991年に放送された『パパとなっちゃん』(TBS系)だ。田村正和と小泉今日子の共演で話題を集めた名作で、浜田は民放の連続ドラマ初出演を達成。
「生協の梅田クン」こと梅田大介を演じ、主人公の自宅に配達に来る青年を務めた。この梅田クンは主人公の義母にこき使われる役。当時、とがった笑いをしていた浜田が下っ端あつかいされる演出がおもしろく、自然体で気の良い青年を表現したことで高い評価を得た。
また、直後に出演したテレビ業界を扱う『ADブギ』(TBS系)では、加勢大周演じる新米ADの指導をする先輩AD・杉田巧を担当。お調子者で人望がある巧は浜田のハマり役となり、一気に俳優としての才能を開花させることになった。
その後は、『十年愛』(TBS系)でラブストーリーを経験し、主演ドラマ『人生は上々だ』(TBS系)では木村拓哉と共演。軽快な関西弁が冴えわたる借金の取立て屋の内藤八郎を見事に演じて、ドラマは高視聴率をマークする。
◆浜田雅功×三谷幸喜『竜馬におまかせ!』伝説的コラボを実現
そんな浜田の俳優としての転機になったのが、1996年に放送された主演ドラマ『竜馬におまかせ!』(日本テレビ系)だ。浜田は主人公・坂本竜馬を演じ、主題歌はH Jungle with tの『FRIENDSHIP』で、まさに浜田の全盛期に放送された作品。脚本は三谷幸喜が務めたコメディドラマで、竜馬がバンドを組む描写などかなり史実を無視した脚本になった。
賛否両論を集めた作品だが、浜田の俳優としての実力は一番発揮されたと考えられる。
まず、関西弁の竜馬というトリッキーな演出で、三谷作品でもかなり変わった部類のドラマとなった。そんな難しい作品で、浜田は人情派でお人好しの竜馬をしっかり演じきっている。
浜田はどの役でも、設定をキチンと理解し芸人として培ってきたキャラと融合させるのがうまい。竜馬はそんな役作りの集大成となり、全く新しい人物像を描くことに成功した。
◆CMから派生して劇場版となった『明日があるさ』
そんな浜田は、心優しきコンビニ店長を演じた『ひとりぼっちの君に』(TBS系)を経て、主演ドラマ『明日があるさ』(日本テレビ系)に出演する。このドラマは、「ジョージア」のCMで展開された映像をドラマ化したもの。
吉本芸人が多く出演し、コントに近い作りのドラマとなった。浜田は同作で「浜田課長」を演じ、赴任した営業部でシャカリキに働くサラリーマン役を担当。
中堅総合商社を舞台とした作品で、人情派の浜田課長が落ちこぼれの部下たちを鼓舞(こぶ)しながら、夢に突き進むドラマとなる。ドラマは高視聴率となり、劇場版『明日があるさ THE MOVIE』が制作されるほどの大ヒットを記録した。
◆俳優・浜田雅功の魅力
さて、ここまで紹介したように浜田は俳優としてヒット作が多い芸人だ。そんな浜田は、俳優としてどこに魅力があるのか?
まず、芸人として基盤がしっかりしているので、どんな役を演じても視聴者が安心して見られる。加えて、俳優としてブレイクしようという気持ちがないので、肩の力が抜けた見やすい演技をする。
また、浜田はダウンタウンとして、松本人志が描くコントで摩訶(まか)不思議な役を長年演じてきた。その経験があるからか、キャラの設定をつかむのがうまく実力を発揮できる。
ここ最近、芸人が俳優業に挑戦することが多くなったが、浜田に関しては別格だ。主演として作品を成立させられる力を持ち、芸人としての知名度も高いので幅広い世代から注目される。
そして、視聴者の期待に応える浜田らしい役をしっかりと見せてくれる。本業の俳優でもなかなかできない芸当で、浜田のポテンシャルの高さを証明している。
さて、浜田が初となる配信ドラマに挑戦する情報が出ているが、どんな役になるのだろうか?
脚本を宮藤が務めればコメディ作品になる可能性が高く、きっと浜田を活かす役にするだろう。また、役所のライバル役とされ、主人公に敵対する悪役も予想され浜田が新境地を切り開く可能性もある。
何にせよ、復帰早々に多くの国民が注目するニュースが飛び出た浜田。どんな作品になるのか、詳細情報が出るのを楽しみに待ちたい。
<文/ゆるま小林>
【ゆるま 小林】
某テレビ局でバラエティー番組、情報番組などを制作。退社後、フリーランスの編集・ライターに転身し、ネットニュースなどでテレビや芸能人に関するコラムを執筆