27号車アストンマーティン・バンテージAMR LMGT3(ハート・オブ・レーシング・チーム)イアン・ジェームス/マティア・ドルディ/ザカリー・ロビション 6月12日、フランスのル・マン24時間サーキット(サルト・サーキット)でWEC世界耐久選手権第4戦ル・マン24時間レースの最終予選『ハイパーポール』が行われ、各クラス上位のスターティング・グリッドが決定した。
すべて車種の異なる8台が最終ステージに進んだLMGT3クラスでは、27号車アストンマーティン・バンテージAMR LMGT3(ハート・オブ・レーシング・チーム)がマティア・ドルディのアタックでクラスポールポジションを獲得。
LMP2クラスでは、プロ/アマカテゴリーにエントリーするTDSレーシングの29号車オレカ07・ギブソンが、マティアス・ベッシェのアタックによりクラスポールを決めている。
2025年、ル・マンの予選方式は改められ、『予選』『ハイパーポール1(H1)』『ハイパーポール2(H2)』という3セッションのノックダウン方式に。11日に30分間の予選を行い、LMP2とLMGT3は上位12台、ハイパーカーは上位15台が12日のH1へと進出。ハイパーポールは予選同様に『LMP2&LMGT3』のセッションと、『ハイパーカー専有』のセッションへ分割され、H1は20分、H2は15分で争われる。
LMP2とLMGT3のH2進出台数は上位8台。ハイパーカーは上位10台となっており、H2へ進出した場合、H1とは異なるドライバーがアタックを担当しなければならない。
■赤旗によりアタックは実質2周。LMP2は最後にTDSレーシングが浮上
LMP2&LMGT3のH1は、予定どおり12日20時にスタートした。気温は27度、路面温度は34度というコンディションだ。日本勢では佐藤万璃音の所属する95号車マクラーレン720S LMGT3エボ(ユナイテッド・オートスポーツ)がこのセッションへの進出を決めており、ショーン・ゲラエルがステアリングを握ってコースへと飛び出して行った。
LMP2の各車、そしてLMGT3の5台ほどが最初の計測を終えたタイミングで、54号車フェラーリ296 GT3(ビスタAFコルセ)のフランチェスコ・カステラッチがポルシェカーブでコースオフしグラベルに埋まったため、セッションは残り11分26秒のところで赤旗中断となった。
20時16分にセッションは再開。アタックチャンスは実質2周となるなか、LMP2では22号車オレカ07・ギブソン(ユナイテッド・オートスポーツ)のレンガー・バン・デル・ザンデが3分36秒135で暫定首位、LMGT3では46号車BMW M4 LMGT3(チームWRT)のケルビン・ファン・デル・リンデが首位に立つ。
バン・デル・ザンデの全体ベストはしかし、43号車オレカ07・ギブソン(インターユーロポル・コンペティション)のニック・イェロリーによって更新される。チェッカーフラッグが振られるなかでもH2進出ライン付近ではいくつかの順位変動が見られるなか、LMGT3では95号車マクラーレン720S LMGT3エボ(ユナイテッド・オートスポーツ)のゲラエルが最後にアタックを敢行し、クラス8番手とギリギリH2進出を決めた。
LMP2はインターユーロポルの43号車を筆頭に、AO・バイ・TF、ユナイテッドASの2台、TDSレーシング、AFコルセ、CLXピュア・レクシング、RLR MスポーツがH2へ進んだ。
LMGT3クラスのH2進出車両は、46号車BMW M4 LMGT3(チームWRT)、81号車シボレー・コルベットGT3.R(TFスポーツ)、92号車ポルシェ911 GT3 R(マンタイ・ファースト・フォーム)、27号車アストンマーティン・バンテージAMR GT3(ハート・オブ・レーシング・チーム)、61号車メルセデスAMG GT3 Evo(アイアン・リンクス)、21号車フェラーリ296 LMGT3(ビスタAFコルセ)、78号車レクサスRC F GT3(アコーディスASPチーム)、95号車マクラーレン720S LMGT3エボ(ユナイテッド・オートスポーツ)と、8台すべてが異なる車種となった。
16台が出走するLMP2&LMGT3のH2は、予定より7分遅れの20時42分に開始。46号車BMWではバレンティーノ・ロッシ、95号車マクラーレンでは佐藤万璃音がアタッカーを務めている。
ファーストアタックでは21号車フェラーリのアレッシオ・ロベラが暫定首位に。しかし、27号車アストンマーティンのマティア・ドルディがただひとり3分52秒台に入れる全tないベストをたたき出し、クラスポールポジションを決めた。
2番手は21号車フェラーリ、3番手にロッシの46号車BMWが入り、佐藤は最終ラップに自己ベストを更新したものの、7番手という順位は変わらなかった。
LMP2ではAO・バイ・TFの199号車を駆るルイ・デレトラズが最初のアタックでトップに。次の周にユナイテッド23号車のベン・ヘンリーが逆転する。さらに43号車のトム・ディルマンがコンマ1秒上回るなど、激しくトップタイムが入れ替わった。
最終的にはチェッカーが振られるなか、TDSレーシング29号車のマティアス・ベッシェが3分35秒062という最速タイムを刻み、クラスポールポジションを確定させた。2番手はインターユーロポルの43号車、3番手はAO・バイ・TFの199号車となっている。
[オートスポーツweb 2025年06月13日]