元少年の男、二審も懲役１８年＝１５年前の神戸高２刺殺―大阪高裁

　神戸市北区で２０１０年、高校２年の堤将太さん＝当時（１６）＝が刺殺された事件で、殺人罪に問われた無職男（３２）＝事件当時少年＝の控訴審判決が２０日、大阪高裁であった。村越一浩裁判長は、懲役１８年とした一審神戸地裁の裁判員裁判判決を支持し、被告側控訴を棄却した。

　弁護側は、一審に続き男は当時、心神耗弱状態で刑を減軽すべきだと主張したが、村越裁判長は責任能力を認めた一審の判断を支持。有期刑の上限を１５年とする改正前の少年法を適用すべきだという主張についても、「理不尽な理由で凶行に及んだ」などとして退けた。

　将太さんの父敏さんは判決後に記者会見し、「（懲役１８年自体は）決して、納得できるものではないが、今はこれが限界だと思う」と話した。

　判決によると、男は１７歳だった１０年１０月４日夜、神戸市北区の歩道で、堤さんを折り畳み式ナイフで多数回突き刺し、殺害した。